登山用パンツの選び方|ジーンズがNGな理由とストレッチ・耐久性のポイント

Equipment & Gear Selection

Introduction

「登山にジーンズはNG」とよく言われますが、なぜダメなのか、登山用パンツは何を基準に選べばいいのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。登山の服装の基本で紹介したレイヤリングと同じく、パンツも快適な登山を左右する重要な装備です。この記事では、ジーンズがNGとされる理由と、登山用パンツを選ぶポイントを解説します。

なぜジーンズなど普通のズボンはNGなのか

ジーンズに使われる綿素材は吸水性に優れる一方で、速乾性に劣るという性質があります。汗をかいても水分が外に放出されにくく、濡れたままの状態が続いてしまうのです。

これはベースレイヤーの選び方で紹介した「コットンのインナーが登山でNGとされる理由」とまったく同じメカニズムです。濡れた生地が乾くときに気化熱で体温が奪われ、汗冷えを引き起こします。パンツも肌に近い装備である以上、同じ原理が当てはまります。

また、綿のズボンは動きにくさから疲れや転倒のもとになり、ケガにつながる可能性もあります。見た目は普段のズボンと大きく変わらなくても、機能面では大きな差があると考えましょう。

登山用パンツを選ぶ4つのポイント

登山用ウェアメーカーのモンベルは、パンツ選びのポイントとして次の4つを挙げています。

  • ストレッチ性: 横方向にのみ伸びる「1WAYストレッチ」と、縦横両方向に伸びる「2WAYストレッチ」がある。岩場でひざを大きく曲げ伸ばしする場面が多いなら、可動域の広い2WAYが安心
  • 立体裁断: 膝の曲がり方に合わせたパターンを使用したモデルは、歩行時のつっぱりが軽減され、スムーズな屈伸や足上げがしやすい
  • 耐久性: 岩や藪が多いフィールドを歩くなら、耐摩耗性の高い素材や、擦れやすい膝・尻部分の生地を二重にしたモデルが安心
  • 生地の厚さ: 薄手・中厚手・厚手と季節に応じて使い分けることで、体温調整がしやすくなる

ロングパンツ・ショートパンツ・コンバーチブルパンツの3タイプの特徴を比較した図

丈のタイプ別の使い分け

登山用パンツは丈によって大きく3タイプに分かれます。

  • ロングパンツ: 標準的な登山に対応する汎用性の高いタイプ。靴への泥や小石の侵入を防ぎ、紫外線対策やケガの防止にも役立つ
  • ショートパンツ: 動きやすく涼しいのが特徴で、夏の登山に向く。膝下はタイツと組み合わせて紫外線・虫・怪我から守るのがおすすめ
  • コンバーチブルパンツ(ジップオフパンツ): 膝下をジッパーで分離でき、ロング・ショートの2WAYで使える。ただしジッパーの分だけやや重く、歩行時に肌触りや膝への引っかかりが気になることもあるため、購入前の試着が推奨される

レインパンツとの違い

登山用パンツの多くはDWR(耐久性撥水)加工が施されており、小雨や雪程度なら弾いてくれます。ただしこれは「防水」ではないため、本降りの雨には対応できません。天候が崩れたときは、レインウェアの選び方で紹介したレインパンツを、登山用パンツの上から重ねて着用しましょう。

Summary

  • ジーンズなどの綿素材は速乾性に劣り、ベースレイヤーと同じ汗冷えのメカニズムでNGとされる
  • 選ぶポイントはストレッチ性・立体裁断・耐久性・生地の厚さの4つ
  • ロング・ショート・コンバーチブルの3タイプを、季節や行き先に応じて使い分ける
  • 登山用パンツの撥水加工は防水ではないため、本降りの雨にはレインパンツを重ねる

登山の服装の基本、ベースレイヤーの選び方とあわせて、快適な登山用のパンツを選んでください。

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