導入
レインウェアは、登山を始めるにあたって最優先で揃えたい「三種の神器」の最後の一つです。登山靴やザックと同じように、耐水圧・透湿性・素材・価格帯など、専門用語も多く何を基準に選べばいいのか迷ってしまいますよね。
この記事では、レインウェア選びで押さえておきたい耐水圧・透湿性の考え方、価格帯によって何が変わるのか、そして意外と情報が少ない「撥水加工が落ちてきたときのお手入れ方法」まで、丁寧に解説します。
レインウェアに必要な「耐水圧」と「透湿性」とは
レインウェアのスペック表でよく見る「耐水圧」と「透湿性」は、どちらも快適に登山を続けるための重要な数値です。
耐水圧の目安
耐水圧は、どれくらいの水圧まで水を通さないかを示す数値です。登山用としては、20,000mm以上あれば、強い雨や長時間の使用でも安心とされています。
| 耐水圧の目安 | 想定される天候 |
|---|---|
| 数百〜2,000mm程度 | 小雨・散歩程度 |
| 10,000mm程度 | 本降りの雨 |
| 20,000mm以上 | 登山で想定される強い雨・長時間の風雨 |
透湿性の目安
透湿性は、内側にこもった汗の水蒸気をどれだけ外に逃がせるかを示す数値です。登山用としては、10,000g/㎡・24h以上が一つの目安とされています。透湿性が低いと、雨は防げても内側が汗で蒸れてしまい、結果的に体が冷えてしまうことがあります。
代表的な防水透湿素材「ゴアテックス」の種類
レインウェアの素材として最もよく知られているのが「ゴアテックス」です。用途によって以下のようなグレードがあります。
- ゴアテックス プロ: 耐久性・防水性が高く、本格的な登山向け
- ゴアテックス アクティブ: 軽量で透湿性に優れ、汗をかきやすい運動量の多い登山向け
- ゴアテックス パックライト: 軽量・コンパクトで、荷物を軽くしたい人向け
このほかにも、各メーカー独自の防水透湿素材(ドライテックなど)があり、ゴアテックスと同等以上の性能を持つものもあります。素材名だけにこだわらず、耐水圧・透湿性の数値もあわせて確認すると失敗しにくくなります。
価格帯別に見るレインウェアの違い
「結局いくらのものを選べばいいのか」も気になるところだと思います(価格はブランド・モデルにより変動するため目安として参考にしてください)。
| 価格帯 | 特徴 |
|---|---|
| 8,000〜10,000円程度 | 入門モデル。耐水圧・透湿性は登山で使える最低限の水準を満たすものが多いが、生地が薄めで耐久性は控えめ |
| 15,000〜20,000円程度 | ゴアテックスなど主要な防水透湿素材を採用したモデルが中心。日帰り〜小屋泊まで幅広く対応 |
| 20,000〜25,000円以上 | 上位モデル。耐久性・可動域の設計(ベンチレーションや立体裁断など)が充実し、長期間の縦走にも対応 |
まず1着揃えるなら、主要な防水透湿素材を採用した15,000〜20,000円程度のモデルを選んでおくと、耐水圧・透湿性の面で失敗しにくくなります。
撥水加工が落ちてきたときのお手入れ・復活方法
レインウェアの表面についている撥水加工は、使用や洗濯を重ねるうちに徐々に効果が落ちていきます。生地の表面で水が玉にならず、べたっと広がるようになったら、撥水加工が落ちてきているサインです。
まずは洗濯で汚れを落とす
撥水性が落ちる主な原因は、皮脂や汚れが生地の表面に付着することです。レインウェア専用、またはドライ系の中性洗剤を使い、通常の洗濯用洗剤(蛍光剤・柔軟剤入り)は避けて洗濯します。
乾燥機やアイロンの熱で撥水加工を復活させる
洗濯だけでも撥水性がある程度戻ることがありますが、乾燥機の低温設定やアイロンの当て布ごしの熱を加えることで、撥水加工の成分が生地表面に均一に広がり、効果が復活しやすくなります(素材によって対応可否が異なるため、洗濯表示を必ず確認してください)。
それでも復活しない場合は撥水スプレーを使う
洗濯・熱処理でも効果が戻らない場合は、市販の撥水スプレーで加工をし直すことで、新品に近い撥水性を取り戻せます。
まとめ
レインウェア選びは、耐水圧20,000mm以上・透湿性10,000g/㎡・24h以上を一つの目安にしつつ、価格帯によって耐久性や快適機能がどう変わるかを踏まえて選ぶと失敗しにくくなります。購入後は、撥水加工が落ちてきたと感じたら、洗濯・熱処理・撥水スプレーの順で手入れをすることで、長く快適に使い続けられます。
装備全体の揃え方は登山初心者に必要なものガイド、登山靴は登山靴の選び方完全ガイド、ザックは登山ザックの選び方完全ガイドもあわせてご覧ください。
